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2007/09/09 (Sun) 風の旅 萩相島灯台



萩市浜崎港の北西14kmに浮かぶ 相島(あいしま) は、
本土の笠山から眺めるとお盆を伏せたように浮かぶ6つの島の西端に位置する。
85世帯、250人、半農半漁の島で、かつては葉タバコが、今はスイカが有名だ。
私が相島を訪ねたのは、萩沖の6つの島で相島にだけ灯台があるからだ。
相島に灯台がなければ、この島を訪れる事は決してなかったはずだ。

島の周囲はグルリ断崖で、断崖が途切れた1ヶ所が港になっている。
私は先ず、港から急坂を登りつめた集落を目指す。
上陸後すぐの登坂にあえぐ私を、けたましいエンジン音で農業用運搬車が追い越す。
運動不足でヤワな人間に成り下がった私は 「乗せてくれたらいいのに」 と呟く。
が、世間は甘くない。 私を追い越した2台とも、時速は15kmくらい?

集落は港町でもないのに、曲がりくねった細い坂道だ。
集落を抜けるあたりで灯台への道を訪ねたら、要領を得ないおじいさんだった。
奥から女性が出てきて、親切に教えてくれたが、よほど私が頼りなく見えたのだろう。
「道が分からんなら連れてってあげよう」
「!?、でも、お忙しいでしょう。いいですよ」
私の返事を聞くももどかしそうに、納屋の前の農業用運搬車のエンジンをかけた。
私は荷台に。 一種の牽引車だ。 大型免許を持っている私でも運転は難しい。
荷台すれすれのS字の路地をいとも簡単に通り抜ける。 拍手喝采、だ。

灯台の手前500m地点が道路工事で通行不可。 そこで、私に言う台詞が憎い。
「ホラ、電柱が見えるじゃろ。 電柱をたどって行ったら灯台じゃから」
確かに、相違ない。 だって、
灯台めぐりをするとき、電柱を目印に進むのは灯台ファンの基本中の基本だから。
(最近、太陽光発電の灯台が増えて、基本も揺らぎつつあるが‥‥)

灯台の写真を撮り、灯塔の壁を叩いてさすり、敬礼をして帰ってくるまでに30分、
運搬車は私を降ろした場所で向きを変えて待っていてくれた。
前進するだけで精一杯の細い道を、どこまでバックして向きを変え、
またバックでここまで戻ってきたのだ !?  感謝感激、だ。
運搬車が自宅近くにさしかかると 「浜(港) まで行くんじゃろ? 送っちゃげよう」
結局、船着場まで送ってくれた。 2時間半の予定が1時間で済んだ。
物事を、お金で済ませるのは私の好むところではないが、
お金に感謝の気持ちを込めるのはこの際いたし方ない。 お礼を、という私に、
「とんでもない、そんなつもりで乗せたんじゃない」 と固辞なさる。
「今日は大汗をかくつもりで来たのに、汗もかかなかった。 失礼だけど、気持ちです」
男の力でエプロンのポケットにねじ込んだ。
「相島に、また来てね」 相島の女(ひと) の去り際の言葉だ。
3度繰り返しておっしゃった。 素直に、再訪しようと思っている。

船を待つあいだに、港でこの話をしたら 「誰じゃろう?」 ということになった。
カメラのモニターを見せたら 「あ、○本キ○子 さんじゃぁね」 とすぐに判明。
さすが、島民250人の島だ。
雨が降り出して天候は最悪だったが、
心優しい、親切な相島の女(ひと) に会えてよかった。

















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