葡萄舎だより 「風の旅日記」
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「北の潮彩」 05/21-2 Adieu ! 北海道の灯台たち
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2008/08/20 22:24
風の旅 「五国灯台歴訪」 1
順番からいけば、北海道の次の灯台めぐりは、
すでに 「奥の磯道」 とタイトルを考えている東北のはずだった。
ヒョンなことから5〜6日間家業を離れる事が可能になって、
突如浮かび上がったのが、四国と淡路の灯台を訪ねる 「五国 灯台歴訪」 だった。
9月24日20時に下関を発って、0時過ぎには瀬戸中央道の中間、与島SAに着いた。
朝まで眠って、SAから与島に抜け出し、鍋島灯台に向かった。
H・ブラントンが設計した明治5年に初点を記録している石造灯台で、
関門海峡の部埼灯台と同期生、六連島灯台の1年後輩だ。
今回の灯台めぐりでは、明石海峡の江埼灯台と共に絶対に訪問したい灯台だ。
SAの柵の切れ目はすぐに見つけられた。 灯台入口の柵にも抜け道がついていた。
灯台前の広場の草むらは昨夜来の雨に濡れ、靴とズボンの裾はびしょぬれになったが、
点灯し回転を続けている赤と緑の灯を見れれば、靴やズボンはどうなってもいい。
このあと、一日目の予定は女木島灯台と男木島灯台を訪問して男木島泊りだから、
高松から馬ヶ鼻灯台まで足を延ばした。
馬ヶ鼻灯台は、志度CCのコース内に建っている。
石松氏やガウスさんなど、訪れた先達はカートで案内してもらっている。
私が訪れた火曜日はセルフ・デーで、フロントもキャディさんも最小限の人数だ。
私を案内できない、とおっしゃるが、奇特なキャディさんが案内を申し出てくれた。
カメラポイントも教えてくれた。 「ご覧、あれが地蔵埼灯台(小豆島)よ」 とまで。
CCのカートが 「灯台巡回車 6号」 となった。 CCのご厚意に感謝。
高松の港から女木島は指呼の間、だ。 島の南端にある灯台も正面に見える。
ダラダラとした坂道を登りつめ、斜面を降りればこじんまりとした女木島灯台。
灯台の背景は、めまぐるしく行き交う船、船、船。
シャッターのタイミングを逃しても、すぐに次の船が通る。 山手線並みだ。
男木島灯台に着いたときは曇り空でガッカリしたが、1時間もすると晴れてきた。
写真をイヤというほど撮った。 時間を気にせずに灯台に留まれるのは嬉しい。
角島灯台と並んで、日本に2基しかない無塗装の石造灯台。 男木島の一枚看板だ。
宿泊は、親父さんが魚運搬を業としている浜上旅館。 食べきれない魚料理が出た。
翌朝、私が乗る定期船の出発時間に親父さんはいない、という。
高松まで魚を運ぶためらしい。
出港間際にデッキに立っていると、港口から猛烈なスピードで入ってくる船がある。
親父さんの船だ。 私を見つけて手を振る。 私に手を振るために飛ばしてきたんだ!
始めて来た島で、見送ってくれる人がいる。 やはり、島はいい。
2007/10/10 11:37
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風の旅 筑前大島灯台
福岡県宗像市神湊(こうのみなと) から筑前大島に渡る定期便は
9時35分の便が出たら次は11時15分だ。
時間はあまりすぎるほどあるから一般道を走ったら、神湊まで2時間近くかかった。
それでも大島行きの船が出るまでは1時間以上待たなければならない。
これが離島の灯台めぐりに付きまとう不便さだ。
大島港に着いて、手配していた自動車を借りる。
軽ワゴン車で、その狭さに文句は言わないが、オートマでないのが辛い。
見島でもそうだったが、離島ではオートマの必要がないのだろうか。
日ごろの暮らしが便利さの極みだから、たまには原点に戻るのもよかろう。
大島は起伏に富んだ島で、レンタルサイクルではとてもきつい。
旧式の軽ワゴンは坂道では30km/hのスピードしか出ないが、
知らない道だからそれで十分だ。 一日乗り放題で2000円だし。
福岡県で一番大きい島だとはいっても、その広さはタカが知れている。
灯台にはすぐに着いた。
灯台の少し手前に駐車場があるのに、灯台の入り口にデンと車を停める馬鹿がいる。
どんな奴だと思ったら、車体には 「宗像市」。 大島支所の公用車だ。
公僕のクセして、傍若無人な振る舞いに腹が立ったから、
「写真を撮るから動かせ!」 と、やさしくお願いした。
その公務員氏、それからは灯台敷地の中で控えめな行動をとり始めたが。
それにしても、非常識な連中が多い。
思ったとおり、いい灯台だ。
筑前大島灯台は、神崎という岬に立つ。
7管が門柱に掲げた看板には、「筑前大島神崎灯台」
時代を感じさせる初点プレートには、「玄界大島灯台」
現在流布されている灯台表では、「筑前大島灯台」
面白いのは、大正15年に取り付けられたプレートの表記で、
当時は、島も灯台も 玄界大島 と名乗っていたのだろうか。
もう一つ、玄 「界」 灘にありながらなら、玄 「海」 国定公園 とはこれ如何に?
風車のある展望台から灯台を見納め、途中 「沖ノ島遥拝所」 に立ち寄った。
沖ノ島は全島が神域で、一般人は立ち入れないが、古くから女人禁制だった。
女性は、遥拝所から洋上はるかな沖ノ島に手を合わせるのだ。 現在も。
宗像大社中津宮には当然、参拝した。 参拝して良かった。。
私が灯台めぐりをこれから先10年続けるとしても
私の灯台訪問歴に燦然と輝く出来事が起こりそうな予感がする。
ある願いが一気に解決しそうだ。
未確定の部分が多いから、このことについては実現するまで、伏せる。
やはり、神や仏はありがたい。 ああ、筑前大島を訪ねて良かった。
2007/09/14 08:25
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風の旅 見島北灯台、見島灯台
萩市の沖合い40kmに浮かぶ 見島(みしま) は国境の島だ。
島の中央には自衛隊のレーダー基地が鎮座する。
島の南・本村(ほんむら) と、島の東・宇津(うつ) からレーダー基地まで
立派な道路が続く。 使用頻度からは、もったいないほどの立派な道路だ。
見島は国防の最前線ともいえるから、見島の灯台もその一翼をになうのかも知れないが、
こちらは朝鮮半島から密航を企てる者の格好の道しるべとして重宝がられているのかも。
見島には (防波堤灯台以外で) 2つの灯台がある。
観光スポットは島の北端、長尾の鼻に立つ 「見島北灯台」 だ。
通称も愛称も 「北灯台」。 「北」 は日本人好みなのだろう。
真北に伸びた長尾の鼻は、周囲300度以上が海だから、朝日が拝めて夕陽が望める。
日の出と日没が同じ場所で望める箇所はそんなに多くないらしい。
次回は経験してみたいものだ。
宇津の集落から灯台の傍まで車道が通じている。 島に数台のレンタカーは使えない。
車道脇の藪で車体に傷がつくから、と言って貸してくれない。
車で往復するための解決方法は、旅館に泊まって、旅館の軽トラを借りる事。
私が泊まった 宇津地区の弁天荘は、乗り放題 1000円 だった。 これには重宝した。
分岐点には 「北灯台→」 の表示がある。
北灯台は情緒のある灯台だ。 どの角度から撮っても横に長く水平線が写る。
初点はS48と遅いが、存在感のある灯台だ。
島の南、本村の要害山 (海抜80mくらい、かつての砦跡) には見島灯台が立つ。
島の人は 「古い灯台」 と呼ぶ。 S9年の初点だ。
40年近く前になるが、
「見島の気候と漁業」 を卒論テーマにした私が、データを転記に行った灯台だ。
記憶では立派な灯台だったが、現在の2代目は、どこにでもある沿岸小型の灯台だ。
しかし、この灯台を馬鹿にしてはいけない。
立派な正門、広い敷地を備えている。
敷地には廃屋となった官舎跡と、見島特別業務局(稼動中) がある。
この見島灯台と、対馬の三島灯台、壱岐の若宮灯台からの気象・海象データが
冬場に荒れ狂う玄界灘の海況を判断する基礎データとなっているのだ。
余談だが、私の隣にお住まいの海保の大物OB ・ K氏は、
見島灯台を 「ケンシマ・トウダイ」 と呼ぶ。 対馬の三島灯台と区別するためだ。
7管では、皆さんそうなのかもしれない。
港から要害山に取り付くまでの民家の道は狭く曲がって、車幅いっぱいいっぱい、だ。
登山路に差し掛かると道は更に狭まる。 教習所のS字カーブの連続だ。
運転に自信がない方は、車を諦める勇気が必要だ。 歩いても、標高差80mだ。
見島に、JAF はいないから、念のため。
2007/09/09 18:31
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風の旅 萩相島灯台
萩相島灯台への訪問が実現した事は、密やかな自己満足、人知れず微笑むところだ。
灯台ファンである私のバイブルとも言うべき山谷氏のHP「日本の灯台」 があるが、
それに、萩相島灯台の記述はない。
全国の灯台を行脚なさった山谷氏に、行きもらした灯台の数基はあって当然だ。
ただ、山谷氏未踏の灯台があって、そこを訪れるということは、
駆け出しの灯台ファンとして、小さい声で快哉を叫びたくなる、というものだ。
(なんと、私の器の小さいことよ!)
下関を早朝出発して、秋吉台を越える頃からフロントガラスのワイパーを動かした。
萩の浜崎港は、傘がいらないくらいの小糠雨。 おかげで涼しい。
少ない乗客を乗せて定期船の第1便が出港。 私は第2便に乗る予定を繰り上げていた。
事前に萩市の観光課に問い合わせて、
港から萩相島灯台まで5kmの獣道だ、という返答を得ていたから。
とすれば往復に2時間半は必要だ。 第2便で行って帰ったら見島航路に間に合わない。
汗っかきの私は着替えを4枚用意していた。 でも、今夏一番の涼しさで汗はかかない。
そのうち、心優しい 「相島の女(ひと)」 にお会いし、ご厚意で、
灯台近くまで農業用運搬車で送り迎えしてもらったから、いよいよ汗はかかない。
途中の工事箇所さえなければ、農道伝いに灯台脇まで運搬車の侵入は可能だ。
部分的に舗装もしてある。 萩市観光課は、こんな道でも獣道というのだろうか。
と言う事は、農道を利用して畑仕事をする人たちは獣、か?
萩相島灯台の灯塔は、山口県では珍しい 「かまぼこ型」 だ。
灯塔を輪切りにしたら、前方後円ならぬ、前円後方だ。 北海道では数多く見た型だ。
灯室も付いていて、小さいながら好感の持てる灯台だと思う。
それでなくても寂しい場所に建ってい灯台に、雨雲が余計に寒々しさを増している。
帰路は 「相島の女(ひと)」 が浜(港) まで送ってくれて、1時間の灯台訪問だ。
汗もかかずに済んでありがたかったが、帰りの船を待つ時間をもてあました。
な〜んにもない船着場なのだ。 また、動こうにも雨脚がひどくなってきた。
それでも、相島小中学校まで足を延ばした。
立派な学校だ。 生徒数は少ない。 小学生3名、中学生2名。
中学生は今年3年だから、来年からしばらく中学校は休校になるという。
85世帯、250人の島なら仕方ない、か。
9月9日の日曜日は島民「大」運動会らしい。
「相島の女(ひと)」 が、「また来てね」 と言ったから、
来年は運動会の日に来てみようか。 あ、来年は中学生がいない!
2007/09/09 18:28
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風の旅日記 相島の女(ひと)
萩市浜崎港の北西14kmに浮かぶ 相島(あいしま) は、
本土の笠山から眺めるとお盆を伏せたように浮かぶ6つの島の西端に位置する。
85世帯、250人、半農半漁の島で、かつては葉タバコが、今はスイカが有名だ。
私が相島を訪ねたのは、萩沖の6つの島で相島にだけ灯台があるからだ。
相島に灯台がなければ、この島を訪れる事は決してなかったはずだ。
島の周囲はグルリ断崖で、断崖が途切れた1ヶ所が港になっている。
私は先ず、港から急坂を登りつめた集落を目指す。
上陸後すぐの登坂にあえぐ私を、けたましいエンジン音で農業用運搬車が追い越す。
運動不足でヤワな人間に成り下がった私は 「乗せてくれたらいいのに」 と呟く。
が、世間は甘くない。 私を追い越した2台とも、時速は15kmくらい?
集落は港町でもないのに、曲がりくねった細い坂道だ。
集落を抜けるあたりで灯台への道を訪ねたら、要領を得ないおじいさんだった。
奥から女性が出てきて、親切に教えてくれたが、よほど私が頼りなく見えたのだろう。
「道が分からんなら連れてってあげよう」
「!?、でも、お忙しいでしょう。いいですよ」
私の返事を聞くももどかしそうに、納屋の前の農業用運搬車のエンジンをかけた。
私は荷台に。 一種の牽引車だ。 大型免許を持っている私でも運転は難しい。
荷台すれすれのS字の路地をいとも簡単に通り抜ける。 拍手喝采、だ。
灯台の手前500m地点が道路工事で通行不可。 そこで、私に言う台詞が憎い。
「ホラ、電柱が見えるじゃろ。 電柱をたどって行ったら灯台じゃから」
確かに、相違ない。 だって、
灯台めぐりをするとき、電柱を目印に進むのは灯台ファンの基本中の基本だから。
(最近、太陽光発電の灯台が増えて、基本も揺らぎつつあるが‥‥)
灯台の写真を撮り、灯塔の壁を叩いてさすり、敬礼をして帰ってくるまでに30分、
運搬車は私を降ろした場所で向きを変えて待っていてくれた。
前進するだけで精一杯の細い道を、どこまでバックして向きを変え、
またバックでここまで戻ってきたのだ !? 感謝感激、だ。
運搬車が自宅近くにさしかかると 「浜(港) まで行くんじゃろ? 送っちゃげよう」
結局、船着場まで送ってくれた。 2時間半の予定が1時間で済んだ。
物事を、お金で済ませるのは私の好むところではないが、
お金に感謝の気持ちを込めるのはこの際いたし方ない。 お礼を、という私に、
「とんでもない、そんなつもりで乗せたんじゃない」 と固辞なさる。
「今日は大汗をかくつもりで来たのに、汗もかかなかった。 失礼だけど、気持ちです」
男の力でエプロンのポケットにねじ込んだ。
「相島に、また来てね」 相島の女(ひと) の去り際の言葉だ。
3度繰り返しておっしゃった。 素直に、再訪しようと思っている。
船を待つあいだに、港でこの話をしたら 「誰じゃろう?」 ということになった。
カメラのモニターを見せたら 「あ、○本キ○子 さんじゃぁね」 とすぐに判明。
さすが、島民250人の島だ。
雨が降り出して天候は最悪だったが、
心優しい、親切な相島の女(ひと) に会えてよかった。
2007/09/09 18:26
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